オフィスビル

関西国際空港旅客ターミナルビル

1994年9月開港、大阪湾の人工島上に建つ全長1,672mの旅客ターミナルビル。レンゾ・ピアノ設計の大屋根が特徴で、世界初の海上空港として建設された。人工島の不等沈下に対応する油圧ジャッキシステムなど、多くの構造的挑戦を克服した。

関西国際空港旅客ターミナルビル
写真: あさしお / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)
用途
オフィスビル
エリア
泉佐野市
竣工
1994年
階数
地上4階/地下1階
高さ
36m
延床面積
約303,943㎡
開発
関西国際空港株式会社
設計
レンゾ・ピアノ、日建設計、大林組、竹中工務店、清水建設、安藤建設

全長1,672m——大阪湾に浮かぶ翼

大阪湾の沖合5キロメートルに浮かぶ人工島の上に、世界最長クラスの旅客ターミナルビルが伸びている。関西国際空港の旅客ターミナルビルだ。全長1,672メートルという数字は、国内の鉄道駅舎の比較で言えば、東京駅の丸の内口から新幹線ホームまでの距離の何倍にもなる。1994年9月4日に開港したこの空港は、世界で初めて海上の人工島に建設された国際空港として知られる。

設計を主導したのはイタリアの建築家レンゾ・ピアノで、日建設計・大林組・竹中工務店・清水建設・安藤建設との共同体として設計に当たった。ターミナルビルの最大の特徴は、チューブ状の断面をもつステンレス製の大屋根だ。翼を広げた鳥のような平面形状を持ち、地上4階・地下1階・高さ約36メートル、延床面積は約303,943平方メートルに及ぶ。内部は自然光が差し込む明るいコンコースが南北に続き、4,000枚を超えるステンレスパネルが曲面天井を形成している。

沈む島との闘い——油圧ジャッキが支える構造

海上空港の最大の課題は地盤沈下だ。人工島の基礎となる大阪湾の海底地盤は軟弱で、埋め立てによる不等沈下(場所によって沈み方が異なること)が想定されていた。設計陣はこの問題に対し、建物を支える900本を超える基礎杭と油圧ジャッキシステムで応じた。各ジャッキは個別に調整可能で、島の沈下に応じて床の高さを補正し続ける仕組みだ。

開港以来、人工島は設計当初の予測を上回る速度で沈下が続いたが、このジャッキシステムによって建物の水平は維持されてきた。空港島第1期の沈下量は数十年の間に累計で十数メートルに達したとされる。世界的にも類を見ない規模の対地盤沈下対策は、空港建設史上の重要な技術的達成として記録されている。

まとめ

関西国際空港旅客ターミナルビルは1994年9月開港、全長1,672メートル・延床面積約303,943平方メートルという巨大な施設だ。レンゾ・ピアノが設計した流線形の大屋根と、人工島の不等沈下に対応する油圧ジャッキシステムは、建築と構造工学の両面で後世に語り継がれる挑戦だった。大阪湾の沖合に浮かぶこのターミナルは、今も関西の玄関口として機能し続けている。

関西国際空港周辺のホテルをお探しなら楽天トラベルもどうぞ。

この建物、行きましたか?

自己申告制のスタンプラリーです。記録はこの端末のブラウザにだけ保存され、サーバーには送信されません。

スタンプ帳を見る →

関連リンク

PR

※ 以下のリンクには広告(アフィリエイト)が含まれます。リンク先での購入・予約により当サイトが収益を得る場合があります。

参考・出典

  • Wikipedia「関西国際空港」(1994年9月4日開港・旅客ターミナルビル全長1,672m・延床面積303,943㎡・地上4階地下1階)
  • 新関西国際空港株式会社公式サイト(設計:レンゾ・ピアノ・日建設計JVほか)

地図でみる