成田空港 第3旅客ターミナル
2015年4月8日に開業したLCC専用ターミナル。日建設計・PARTY・無印良品の三者が手がけた延床面積約6万6千平方メートルの4階建てで、床に描かれた青と赤のランニングトラックが動線をシンプルに導く設計で知られる。
格安航空時代が生んだ第三の玄関口
成田国際空港(千葉県成田市)に2015年(平成27年)4月8日、第3旅客ターミナルが開業した。既存の第1・第2ターミナルが大手航空会社を中心に整備されてきたのに対し、第3ターミナルはLCC(格安航空会社)専用施設として計画された。設計を担ったのは日建設計(NIKKEN SEKKEI)。ここに異色のコラボレーションが加わった。クリエイティブディレクションをデジタルクリエイティブスタジオのPARTY、待合空間のインテリアを無印良品(良品計画)が受け持ったのだ。建築・クリエイティブ・プロダクトという三領域の専門家が一つのターミナルで交差する稀有な試みだった。
地上4階建て、延床面積は約6万6千平方メートル。通常の空港ターミナルの概ね半分程度のコストに抑えたとされ、「最低限を最良に」というLCCの哲学をそのまま設計命題に変換した結果が、床に描かれた「ランニングトラック」だった。余剰を削ぎ落とし、人の動きそのものを設計の中心に据えるという方針が、この建物の全体像を決定づけた。
走る床が教えてくれる出発と到着
第3ターミナルを代表する意匠は、床に描かれた2色の帯だ。出発方向には青のランニングトラック、到着方向には赤のランニングトラックが延び、旅行者はその色を追うだけで出発ロビーや搭乗口にたどり着く。過剰なサインボードを排し、床そのものをナビゲーションに仕立てるこの発想は、コストを圧縮しながら使いやすさを損なわない設計の象徴だ。さらに「走れる」という意味が文字通り込められており、急ぐ旅行者が走っても安全な通路であることを意識して設けられている。
待合空間には無印良品が選んだ家具が配され、本館2階のフードコートは国内の空港では最大規模とされる。華美さとは一線を画しながらも、居心地の良さを丁寧に追求した空間は、LCCを日常として使う旅慣れた利用者の視線に応えるものだ。外観は機能美に徹したシンプルなボリュームだが、一歩足を踏み入れると床が語りかける——第3ターミナルは、空港建築の一つの問いに対する静かな答えだ。第2ターミナルとの連絡通路を歩いてたどり着くアプローチもまた、旅の序章にふさわしい。
まとめ
成田空港第3旅客ターミナルは2015年4月8日に開業した、地上4階建て・延床面積約6万6千平方メートルのLCC専用施設だ。日建設計・PARTY・無印良品の三者による共同設計が生み出したランニングトラック型の動線は、低コストと使いやすさを両立させる一つの答えとして広く注目された。成田から飛び立つ次の機会には、床を流れる青と赤を確かめながら搭乗口を目指してみてほしい。
成田・千葉エリアのホテル予約は楽天トラベルでどうぞ。
関連リンク
PR※ 以下のリンクには広告(アフィリエイト)が含まれます。リンク先での購入・予約により当サイトが収益を得る場合があります。
参考・出典
- Airport Technology「Terminal 3, Narita International Airport, Tokyo」 https://www.airport-technology.com/projects/terminal-3-narita-international-airport-tokyo/
- Nikken Sekkei「Narita International Airport Terminal 3」 https://www.nikken.co.jp/en/projects/transportation/narita_international_airport_terminal_3.html
- DesignBoom「narita airport's terminal 3 is connected with color-coded running tracks」2015-04-10 https://www.designboom.com/architecture/narita-airport-terminal-3-running-track-party-muji-nikken-04-10-2015/