浅草文化観光センター
雷門前に立つ隈研吾設計の観光案内所。8棟の町家を積み重ねたような外観が、浅草の歴史的な街並みと対話する。
- 用途
- オフィスビル
- エリア
- 台東区
- 竣工
- 2012年
- 階数
- 地上8階/地下1階
- 高さ
- 38.9m
- 延床面積
- 約2,159㎡
- 開発
- 台東区
- 設計
- 隈研吾建築都市設計事務所
雷門前に重なる8層の家並み
東京都台東区雷門二丁目。仲見世通りの入口を告げる大提灯を正面に望む交差点の角に、2012年4月、浅草文化観光センターが開業した。台東区が整備した観光案内施設で、設計を担当したのは隈研吾建築都市設計事務所。地上8階・地下1階、高さ38.9メートル、延床面積約2,159平方メートルの建物は、スケールこそ小ぶりながら、その外観は浅草を訪れる者の目を引く。
建物を見上げると、それぞれが切妻屋根を持つ「家」の形が8層に重なる構成に気づく。各フロアを独立した町家に見立て、それを垂直に積み重ねたようなデザインである。各層の屋根はわずかに角度が異なり、同じ形の単純な繰り返しではなく、個性のある家並みが連なっているような印象を与える。木製のルーバーが各層の外周を覆い、鉄骨を主体とする構造体に自然素材の柔らかさを添えている。観光地・浅草の玄関口に立つ建物として、コンクリートとガラスの現代建築でも、かつての浅草の姿を復元したレプリカでもなく、現代の素材と感覚で「浅草らしさ」を再解釈した一棟といえる。
高さをめぐる交渉と設計の深度
この建物の設計には、高さに関する丁寧な調整の過程がある。当初計画では約41メートルとされていたが、浅草寺や地元商店会などとの協議を経て、最終的に38.9メートルへと縮小された。景観への配慮を求める声が設計の前提条件として折り込まれた結果であり、完成した建物は仲見世通りから眺めたとき、浅草寺の五重塔と同じ空のなかに収まるように意図されているとされる。地域の声との摩擦がデザインの質を高めた例として、この建物はたびたび引かれる。
最上階には屋外の展望テラスが設けられており、雷門・仲見世・浅草寺の参道を一望できる。地上で観光客の流れに混じって歩いているだけでは気づきにくい、浅草の街の奥行きと構造がここから把握できる。8層を登りきったテラスで見渡す景色は、観光の玄関口という施設の役割そのものを体験として提供している。
まとめ
浅草文化観光センターは2012年竣工、地上8階・地下1階、高さ38.9メートル。隈研吾建築都市設計事務所が設計し、台東区が整備した観光施設である。8棟の家形を積み重ねた外観は、浅草の歴史的な街並みへの現代的な応答として立ち上がっている。雷門に到着したら、観光案内がてら最上階まで上がり、仲見世と浅草寺の参道を鳥瞰してから街へ出るというルートが、この建物を最大限に活かす歩き方だ。
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関連リンク
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参考・出典
- 浅草文化観光センター - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%85%E8%8D%89%E6%96%87%E5%8C%96%E8%A6%B3%E5%85%89%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC
- 台東区公式 施設概要 https://www.city.taito.lg.jp/bunka_kanko/kankoinfo/info/oyakudachi/kankocenter/a-tic-gaiyo.html
- 隈研吾建築都市設計事務所 公式 https://kkaa.co.jp/en/project/asakusa-culture-tourist-information-center/
- 高さ: Wikipedia記載38.9m(当初計画41.25mから地元協議を経て縮小)