オフィスビル

キャロットタワー

1996年竣工、世田谷区三軒茶屋の市街地再開発で生まれた地上27階・高さ約124mの複合タワー。世田谷パブリックシアター(1,300席)を核に商業・オフィス・展望ロビーを積み上げ、田園都市線・世田谷線の結節点として三軒茶屋の新たな顔となった。

キャロットタワー
写真: Doricono / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)
用途
オフィスビル
エリア
世田谷区
竣工
1996年
階数
地上27階/地下5階
高さ
124m
延床面積
約76,754㎡
開発
三茶・太子堂地区市街地再開発組合
設計
石本建築事務所

三軒茶屋に生まれた高さ124mの複合タワー

東急田園都市線・世田谷線の三軒茶屋駅を出てすぐ、レンガ色の外壁を持つ高層棟が目に入る。キャロットタワーだ。1996年11月に竣工した地上27階・地下5階・高さ124.42メートルのこの建物は、三茶・太子堂地区第一種市街地再開発事業によって生まれた。事業の主体は三茶・太子堂地区市街地再開発組合で、東急グループが主導的な役割を担った。設計は石本建築事務所が手がけている。

ビル名は1,488件の公募から「フレッシュで活力がある」として選ばれた。外壁はキャロット色と呼ばれる暖かみのあるレンガ色の磁器質タイルで仕上げられ、5層吹き抜けのガラス屋根付きアトリウムが建物の南面を明るく照らす。東急世田谷線の三軒茶屋駅と直結するほか、田園都市線の地下通路とも接続されており、複数の交通動線を束ねる拠点として機能している。

施設の核となるのは、26階建て棟の下層部に位置する世田谷パブリックシアター(1,300席)とシアタートラム(250席)だ。区の文化施設をビルの中核に据えるという構成は、商業施設・オフィスに加えて劇場を抱えることで再開発全体の都市的意義を高めようとした計画の反映である。

展望から街を眺める——再開発が作り出した場所

26階(利用階)の展望ロビー「スカイキャロット」は無料で開放されており、富士山・東京タワー・東京スカイツリーを一望できるとされる。隣接する東急線各駅ほど観光地化されていない分、地元の人々が日々の中で訪れる場所として三軒茶屋に溶け込んでいる。

三軒茶屋はかつて、路面電車が行き交い小さな商店が集まる下町的な街区だった。再開発によって高層ビルが建ち並ぶエリアに変わる一方で、駅周辺の路地裏には昭和の飲食店街が今も息づいている。キャロットタワーはその新旧の境目に立つ建物として、三軒茶屋の変化と継続性を体現している。

まとめ

キャロットタワーは1996年11月竣工、地上27階・地下5階・高さ約124メートル、延床面積約76,754平方メートルの複合ビルだ。市街地再開発によって三軒茶屋の駅前に劇場・商業・オフィス・展望ロビーを積み上げたこの建物は、郊外の鉄道沿線再開発の一つのモデルとして位置づけられる。無料展望ロビーから三軒茶屋の街を見渡すのは、気軽な散歩のついでにちょうどいい。

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参考・出典

  • Wikipedia「キャロットタワー」(1996年11月竣工・地上27階地下5階・高さ124.42m・延床面積約76,754㎡・設計:石本建築事務所)
  • 三茶・太子堂地区第一種市街地再開発事業(1988年事業認可・東急主導)

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