東京港トンネル
東京港の水底に潜る海底道路トンネル。首都高速湾岸線(1976年開通・沈埋工法)と国道357号(西行き2016年・東行き2019年全通・シールド工法)の2本が並走し、大井ふ頭とお台場を有料・無料の両ルートで結ぶ港湾物流の大動脈。
品川とお台場を海底でつなぐ2本の管
品川区八潮(大井地区)と江東区青海(お台場)の間、東京港の水底には2本の道路トンネルが並走している。ひとつは首都高速湾岸線の東京港トンネルだ。1976年8月に開通した沈埋工法のトンネルで、大井出入口から臨海副都心出入口まで延長約2.8キロメートルにわたって港の底を貫く有料の自動車専用路である。東京湾岸線はこのトンネルの開通をもって産声を上げ、のちに横浜から千葉の市川まで全長62.1キロメートルへと発展した路線だ。
もう1本は国道357号(東京湾岸道路)の東京港トンネルで、首都高速と並走するかたちで延長約1.9キロメートルの海底を無料の一般道が貫く。このトンネルは西行き(神奈川方面)と東行き(千葉方面)で別々に建設された。西行きが2016年(平成28年)3月26日に先行開通し、東行きは2019年(令和元年)6月3日に開通して全通を果たした。東行きはシールド工法で掘削され、外径12.2メートルの大断面シールド機が投入された。全通によって国道357号は羽田空港方面から千葉方面まで、東京湾岸を途切れなくつなぐ無料の幹線として完成した。
大井ふ頭と臨海を結ぶ物流の動線
東京港トンネルの重要性は東京港の物流構造と切り離せない。大井ふ頭は国内有数のコンテナターミナルを擁する埠頭であり、大型トレーラーが昼夜を問わず行き交う。首都高速湾岸線のトンネルはこうした重量車両がお台場・豊洲・湾岸線全体へ合流するための有料メインルートとして機能し、国道357号のトンネルは並走する無料の補完路として一般車を受け持つ。両者の役割分担が、大井ふ頭周辺の渋滞を一定程度抑制している。
2019年の東行き開通後、羽田空港からお台場方面への一般道アクセスは大きく改善されたとされる。国道357号が有料の首都高速を使わずに東西を貫通したことで、湾岸エリアの道路ネットワークは多様な選択肢を持つ体系に成熟した。
まとめ
東京港トンネルは1976年の首都高速版(沈埋工法・約2.8km)から始まり、2019年の国道357号版(シールド工法・約1.9km)の全通をもって、有料・無料の2ルートが品川の大井地区とお台場を結ぶ二重の海底回廊となった。港湾物流の動脈であると同時に、湾岸エリアの生活道路としても機能するこの地下の管は、東京が港湾都市として積み重ねてきた土木の層を体感できる場所でもある。
大井ふ頭を望む岸壁から国道357号のトンネルに入り、お台場の空へ飛び出す瞬間は、東京の海側インフラを肌で感じる体験だ。首都高速湾岸線や東京ポートシティ竹芝と組み合わせて、東京湾岸のウォーターフロントをめぐってみてほしい。
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関連リンク
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参考・出典
- 川崎国道事務所 国土交通省関東地方整備局「国道357号東京港トンネル東行き(内陸側)開通しました」https://www.ktr.mlit.go.jp/kawakoku/kawakoku00036.html
- Travel Watch「国道357号東京港トンネルの西行きが3月26日6時に開通」https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/750146.html
- Travel Watch「国道357号東京港トンネル東行きが6月3日23時開通」https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1179841.html
- 首都高速湾岸線 関連(本サイト既存記事の調査より)東京港トンネル(首都高速)1976年8月開通・沈埋工法・約2.8km