都電荒川線(東京さくらトラム)
都内に唯一残存する路面電車。三ノ輪橋と早稲田を結ぶ12.2km・30停留場の路線で、2017年に「東京さくらトラム」の愛称が付いた。専用軌道の割合の高さから都電廃止の波を生き延び、飛鳥山の桜など沿線の緑でも知られる。
都心に唯一残る路面電車
荒川区の三ノ輪橋停留場から新宿区の早稲田停留場まで、12.2キロメートルの軌道に30か所の停留場が連なる路面電車がある。東京都交通局が運行する都電荒川線——愛称「東京さくらトラム」だ。かつて東京には路面電車の路線が市内全域に広がっていたが、1960〜70年代のモータリゼーションの波を受けて路線は次々と廃止されていった。1972年には多くの系統が一斉に廃止され、最後まで残ったのが現在の荒川線の前身となる路線だ。荒川線が廃止を免れた主な要因は、路線の大部分が道路から分離した専用軌道を走っていることだ。路面電車は道路上を走ると自動車交通と競合しやすく廃止の対象となりやすかったが、荒川線はその問題が比較的生じにくかった。また沿線に並行する代替交通手段が乏しい地区が多かったことも、路線の維持につながった。
路線の起源は1911年8月に大塚〜飛鳥山間で開業した王子電気軌道にさかのぼる。延伸を重ねながら昭和5年(1930年)3月に早稲田から三ノ輪橋まで全区間が通じた。その後東京都に移管されて都電の一部となり、1974年10月1日に両系統が統合されて現在の「都電荒川線」が発足した。
沿線に桜と日常が映る「さくらトラム」
2017年には一般公募によって「東京さくらトラム」の愛称が路線に加わった。三ノ輪橋から荒川区・豊島区・文京区を経て新宿区の早稲田に至るルートには、飛鳥山公園や荒川遊園地(あらかわ遊園)など緑のスポットが点在し、春先の車窓には桜が咲き連なる。花の季節以外にも、昔ながらの商店街や住宅地の軒先をかすめるように走る姿は、高層ビルが立ち並ぶ都心とはひと味異なる東京の日常を見せてくれる。沿線には雑司ヶ谷、大塚、王子など個性ある町並みが続き、電車を降りて歩きたくなる場所に事欠かない。東京都交通局によれば近年の1日あたり乗車人員は約3.9万人(令和2年度)で、この路線が長年にわたって地域の生活に根ざし続けていることを示している。
まとめ
都電荒川線は三ノ輪橋から早稲田まで12.2km・30停留場を結ぶ、東京都交通局唯一の路面電車路線だ。1974年に現在の形で発足し、2017年に「東京さくらトラム」の愛称を得た。専用軌道が多いことで廃止の波を乗り越えてきたこの路線は、ゆっくりした速度で街を縫うからこそ沿線の表情がよく見える。三ノ輪橋か早稲田から乗り込んで、窓の外をゆっくり眺めてみてほしい。
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関連リンク
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参考・出典
- 東京都交通局 東京さくらトラム(都電荒川線) https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/toden/
- 都電荒川線だけなぜ残ったか 乗りものニュース https://www.excite.co.jp/news/article/Trafficnews_92304/
- 都電荒川線の歴史 まっぷるウェブ https://www.mapple.net/articles/bk/4033/
- 都電荒川線みずから語る!111年のサバイバルヒストリー さんたつ https://san-tatsu.jp/articles/175751/