清洲橋

1928年竣工、全長186.2mの三径間自碇式吊り橋。ドイツ・ケルンの大吊り橋をモデルとし、上流の永代橋の男性的な力強さに対して女性的で優美な意匠とされた。府県道の道路橋として初めて国の重要文化財に指定された(2007年)。

清洲橋
写真: 江戸村のとくぞう / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)
用途
エリア
中央区
竣工
1928年
開発
内務省復興局
設計
太田圓三・鈴木清一ほか(内務省復興局)

隅田川に架かる優美な吊り橋

清洲橋は、隅田川の下流部に架かる三径間の自碇式吊り橋だ。現在の橋は1928年(昭和3年)3月に完成した。全長は186.2メートル。関東大震災からの帝都復興事業のなかで、内務省復興局の手によって架けられた復興橋梁の一つである。自碇式とは、ケーブルを地中のアンカーではなく橋桁そのものに定着させる形式で、限られた河岸のなかで吊り橋を成立させる技術的な工夫だった。

設計は、当時「世界で最も美しい橋」と讃えられたドイツ・ケルンの大吊り橋を手本とした。塔から垂れ下がる吊り材が両端で桁に収束していく曲線は繊細で、下流の永代橋が示す重厚で男性的なアーチとは対照的に、女性的で優美な橋として意図的にデザインされている。同じ隅田川に架かる二つの橋が、力強さと優しさという対の表情を演じているのだ。

復興が磨いた橋のデザイン

清洲橋は、内務省復興局が追求した「機械的合理性に基づく近代的な橋梁デザイン」を体現する存在として高く評価されている。当時の最先端技術を投入し、昭和初期を代表する吊り橋として橋梁史に名を刻んだ。震災という危機を、単に橋を架け直す作業ではなく、都市の景観と技術を問い直す機会へと昇華させた復興事業の思想が、この一橋に凝縮している。

2007年(平成19年)、清洲橋は永代橋・勝鬨橋とともに国の重要文化財(建造物)に指定された。とりわけ清洲橋は、都道府県が管理する道路橋として初めて重要文化財に指定された橋でもある。九十年以上にわたって人と車を渡し続けてきたその優美な姿は、いまも隅田川の水辺に静かな品格を添えている。

まとめ

竣工1928年・全長186.2メートル。ケルンの大吊り橋を手本とした清洲橋は、昭和初期を代表する自碇式吊り橋にして、府県道の道路橋として初の重要文化財という価値をもち、隅田川の景観を優美に彩り続けている。

橋を渡りながら見上げれば、塔から緩やかに垂れる吊り材が描く曲線が、青空を背にしなやかな弧を刻む。下流の永代橋の力強いアーチと見比べると、同じ復興期の橋がまとう表情の違いがくっきりと際立つ。勝鬨橋まで足を延ばせば、可動橋・吊り橋・アーチ橋という三者三様の名橋を、隅田川沿いの散歩で一度に味わうことができる。

周辺への宿泊をお探しなら楽天トラベルもご活用ください。

関連リンク

PR

※ 以下のリンクには広告(アフィリエイト)が含まれます。リンク先での購入・予約により当サイトが収益を得る場合があります。

参考・出典

  • 清洲橋 - 日本語Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/清洲橋
  • 文化遺産オンライン(文化庁)https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/188296
  • 清洲橋(きよすばし)中央区 https://www.city.chuo.lg.jp/a0052/bunkakankou/rekishi/kunibunkazai/030821.html

地図でみる