オフィスビル

歌舞伎座タワー

銀座四丁目の交差点そばにそびえる29階・高さ145mの複合タワー。伝統の歌舞伎座を基壇に従え、隈研吾が格子模様の外装を纏わせた。

歌舞伎座タワー
写真: Svetlov Artem / CC0 (Wikimedia Commons)
用途
オフィスビル
エリア
中央区
竣工
2013年
階数
地上29階
高さ
145m
開発
松竹
設計
三菱地所設計・隈研吾建築都市設計事務所

銀座の空に屹立する「和の縦縞」

東京メトロ東銀座駅の出口と直結する歌舞伎座タワーは、2013年に竣工した地上29階・高さ145mの超高層ビルだ。格子状に配置された白いルーバーがファサードを覆い、街路から見上げると和装の縦縞を思わせる。設計は三菱地所設計と隈研吾建築都市設計事務所が共同で担い、伝統と現代建築の両立という難題に挑んだ。

銀座四丁目から南に数ブロックほどの東銀座エリアは、歌舞伎の聖地として100年以上の歴史をもつ。その地に1958年に建った旧歌舞伎座は老朽化が進み、建て替えの議論が重ねられてきた。最終的に選ばれたのは、歌舞伎座の外観意匠を継承しつつ、その直上に超高層棟を積み上げる複合開発の手法だった。低層部はかつての歌舞伎座が持っていた唐破風(からはふ)屋根と朱塗りの柱廊を再現し、五層楼の外観を強く意識した意匠が施されている。

劇場と都市機能を縦に束ねた立体構成

建物の構造は大きく三層に分かれる。地下には劇場に直結する東京メトロの駅コンコースと飲食・物販ゾーンが広がる。地上2〜4階が1800席超を擁する歌舞伎座本体で、5階以上がオフィスと展示施設を収めるタワー部分だ。劇場の音響・振動をオフィスへ伝えないよう、両者の構造は免震ジョイントによって切り離されているとされる。

高さ145mを誇るタワー部には多くのオフィスフロアが積まれ、屋上に近い上層からは東京湾や東京スカイツリーを望む眺望が得られる。ルーバーは単なる意匠にとどまらず、日射遮蔽の機能も担い、夏季の空調負荷を低減させる。地上5階には「歌舞伎座ギャラリー」が設けられ、舞台道具や衣装の展示を通じて観劇を楽しまない観光客にも歌舞伎文化の入口を提供している。

まとめ

2013年に竣工した地上29階・高さ145mの歌舞伎座タワーは、百年超の歴史をもつ劇場と超高層オフィスを一棟にまとめた都市複合建築の好例だ。銀座の街角で格子模様のファサードを見上げるとき、そこには伝統芸能の継承と現代の建築技術が静かに共存している。東銀座の路地を歩けば、タワーが地上へ解き放つような歌舞伎座の朱色の柱廊に出会える。

近隣には銀座シックスや銀座三越など銀座エリアの再開発建築が連なり、歩き比べると東京の商業建築の変遷が見えてくる。

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参考・出典

  • 松竹株式会社 プレスリリース(歌舞伎座タワー竣工)
  • 三菱地所設計 公式サイト
  • 隈研吾建築都市設計事務所 公式サイト

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