パレスサイドビル
1966年竣工、日建設計の林昌二が手がけた地上9階・地下6階のオフィスビル。円筒形のダブルコアを外部に突き出した独創的な平面計画で、日本の近代オフィス建築の傑作とされる。
- 用途
- オフィスビル
- エリア
- 千代田区
- 竣工
- 1966年
- 階数
- 地上9階/地下6階
- 高さ
- 50m
- 延床面積
- 約119,700㎡
- 設計
- 日建設計(林昌二)
皇居濠端の街角に立つ建築の教科書
竹橋交差点から皇居の濠を渡ってすぐの角地に、パレスサイドビルは1966年から建ち続けている。地上9階・地下6階、延床面積119,700m²を誇るこの建物が特異なのは、通常は建物の芯に隠れるコアを「外に引き出した」平面計画にある。2本の円筒形のダブルコア(エレベーター・階段・設備シャフトを束ねた筒)が建物の外縁に突き出し、打ちっぱなしのコンクリートで存在感を主張している。
設計を担ったのは日建設計の林昌二。当時の日本の建築界において、コアを外部化することで広大なオープンフロアを生み出すアイデアは先駆的だった。内部には毎日新聞社などのテナントが入居し、大空間を活かした柔軟なオフィスレイアウトを可能にしている。ビルが建つ前の土地には、アントニン・レーモンドが設計したリーダーズ・ダイジェスト東京支社(1951年竣工)があったことも、建築の歴史が重なる場所として知られる。
素材と形が語るコンクリート建築の到達点
ビルの外壁はプレキャストコンクリートのパネルで構成され、水平方向に長い窓が均等に並ぶ。落ち着いた色調と整然とした窓割りは、皇居の緑と濠の水面を背景に佇む景観として、竹橋界隈の定点風景をつくりあげてきた。高さ50mという規模は現代の超高層群に比べれば控えめだが、延床面積119,700m²という広さが地下に深く広がる構成で確保されている。
1966年の竣工から60年近くが経つ現在も、毎日新聞社をはじめとする多様なテナントが入居し続けている。長寿の秘訣のひとつは、コアを外部化することで生まれた「無柱の大空間」という汎用性の高い平面にあるとされる。建築学生や建築史家が実測調査に訪れることも多く、昭和の名建築として今も参照され続けている。
まとめ
1966年に竣工したパレスサイドビルは、地上9階・地下6階、延床面積約119,700m²を円筒形ダブルコアの外部化という独創的な手法でまとめた昭和近代建築の傑作だ。竹橋から皇居の濠沿いを歩くと、コンクリートの円筒が突き出すファサードは遠くからでもすぐにわかる。近代建築に関心があれば、足を止めて低層部の細部を観察する価値がある。
皇居周辺ではパレスホテル東京や東京国立近代美術館が近く、半日で建築と文化の散策ルートを組むことができる。
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関連リンク
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参考・出典
- 日建設計公式サイト(プロジェクト情報)
- 建築学会 設計作品集
- 千代田区まちづくり資料
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