高輪ゲートウェイ駅/高輪ゲートウェイシティ
2020年3月に山手線・京浜東北線の新駅として開業した高輪ゲートウェイ駅。隈研吾がデザインした折り紙モチーフの大屋根を持ち、旧JR車両基地跡地9.5haに広がる「高輪ゲートウェイシティ」の核として、品川と田町のあいだに新しい街のかたちを刻みつつある。
品川と田町のあいだに生まれた新駅
2020年(令和2年)3月14日、山手線・京浜東北線の新駅として高輪ゲートウェイ駅が開業した。品川駅と田町駅のあいだに位置し、2路線が停車する島式2面4線の地上駅だ。所在地は東京都港区港南2丁目。山手線の全線開業(1925年)以来、約95年ぶりとなる山手線の新駅として大きな注目を集めた。
駅舎のデザインは隈研吾が担った。建築面積は6,340.84平方メートル。最大の特徴は、高さ約30メートルに達する白い大屋根だ。折り紙をモチーフとした折り重なるような形状で、屋根材にはETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)の膜が採用されている。光を透過しながら熱を遮断する性質を持つこの素材が、白く柔らかな光を内部に落とし、大空間でありながら風通しのよい印象を生んでいる。障子を思わせる透かし模様や木材の使用と組み合わせることで、この駅は「和の空間」という評価を国内外から受けた。
旧車両基地跡に育つ「高輪ゲートウェイシティ」
駅の誕生は、より大きな都市再開発の出発点でもある。品川駅と田町駅のあいだには、かつてJR東日本の車両基地が広がっていた。東海道新幹線の品川駅開業(2003年)に伴って基地が移転・縮小した跡地、約9.5ヘクタールが「高輪ゲートウェイシティ」として再開発されている。
このプロジェクトはJR東日本が主導する大規模な複合開発で、全体の総事業費は約6,000億円とされる。駅に直結する「THE LINKPILLAR 1」は地上29〜30階・高さ約158〜161メートルのオフィス主体ツインビルで、2025年3月に竣工した。続く「THE LINKPILLAR 2」は地上31階・高さ約167メートルで2026年春に全面開業を迎え、段階的に街が姿を現している。
再開発の過程では、2019年から2020年の工事中に江戸時代の「高輪築堤」の遺構が発見された。1872年(明治5年)の鉄道開業に際し、海上に築かれた石造りの堤の一部で、日本の鉄道史の原点に当たる貴重な土木遺産だ。遺構の保存・公開をどう実現するかという議論は、再開発と歴史の両立という問題として広く知られた。
まとめ
高輪ゲートウェイ駅は2020年に開業した山手線の新駅で、隈研吾設計のETFE膜を用いた折り紙モチーフの大屋根が象徴的だ。背後に広がる高輪ゲートウェイシティは旧車両基地跡地9.5ヘクタールに展開する大規模複合開発で、THE LINKPILLAR 1・2が竣工し、港区の新たなランドマークとして街の輪郭を描きつつある。駅を降りて再開発エリアを歩けば、工事フェンスの向こうに東京の「今つくられている部分」が見える。
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参考・出典
- 高輪ゲートウェイ駅 - Wikipedia日本語版(2020年3月14日暫定開業・2025年3月27日全面開業・島式2面4線・東京都港区港南2丁目)
- 日建設計 TAKANAWA GATEWAY CITY プロジェクトページ(敷地面積9.5ha・THE LINKPILLAR 1 地上29〜30階・高さ約158〜161m・2025年竣工)
- TECTURE MAG「TAKANAWA GATEWAY CITYがまちびらき」2025年3月30日(THE LINKPILLAR 2 地上31階・高さ約167m・2026年竣工)
- 隈研吾建築都市設計事務所 公式サイト(大屋根高さ約30m・折り紙モチーフ・ETFE膜採用・建築面積6,340.84㎡)
- 日刊建設工業新聞「高輪ゲートウェイ駅完成」(大屋根高さ約30m・ETFE膜・S造)