国立代々木競技場 第一体育館
丹下健三・坪井善勝が1964年に完成させた吊り構造の傑作。当時前例のない二重吊り構造で大空間を実現し、2021年に国の重要文化財に指定された。
- 用途
- オフィスビル
- エリア
- 渋谷区
- 竣工
- 1964年
- 延床面積
- 約28,705㎡
- 設計
- 丹下健三(意匠)、坪井善勝(構造)
原宿の丘に架かる吊り屋根
東京都渋谷区神南。明治神宮の森に接する丘の斜面に、1964年に竣工した国立代々木競技場がある。第一体育館と第二体育館から成るこの施設のうち、第一体育館は建築家丹下健三が手がけた吊り構造建築の傑作として、竣工から60年以上を経た今も世界的な評価を受け続ける。延床面積は約28,705平方メートルだ。
外観で目を引くのは、高さ約40メートルの主柱2本から約126メートルの間隔で張り渡された巨大なケーブルと、そこから螺旋状に吊り下げられた屋根の曲線である。屋根全体をワイヤーロープで支える「二重の吊り構造」は、建築の世界では当時前例がなかった。構造設計は東京大学の坪井善勝教授が担い、丹下と坪井の協働によって観客席に一本の柱も立てない広大な内部空間が実現した。外からも内からも、その力強い曲線は見る者を圧倒する。
文化財として生き続ける戦後建築
この建物は、1964年の東京オリンピックで競泳競技の会場として使われた。竣工はオリンピック開幕のわずか数週間前まで延び、昼夜を問わない突貫工事によって完成させた記録が残っている。
大会後も体育館・コンサート会場として幅広く活用され、2021年5月には国の重要文化財に指定された。文化審議会は「ダイナミックな外観と壮大な内部空間を有する戦後建築の金字塔」と評し、技術・意匠の両面において秀でた戦後モダニズム建築として高い価値を認めた。鉄骨・鉄筋コンクリートが主流だった時代にケーブル吊り構造を大規模屋内施設へ初めて適用したこの設計は、後の大空間構造建築に多大な影響を与えてきた。
まとめ
国立代々木競技場 第一体育館は1964年竣工、延床面積約28,705平方メートル。丹下健三の意匠と坪井善勝の構造設計が結実した吊り屋根は、60年以上が経った今も現役で使われ、国の重要文化財として保護されている。原宿駅から徒歩数分という立地で、散策のついでに外観の曲線美だけでも目にしておきたい建物だ。
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参考・出典
- BUNGA NET 代々木競技場が重要文化財内定 https://bunganet.tokyo/yoyogi/
- 清水建設 施工実績 https://www.shimz.co.jp/works/jp_lei_196409_kokuritsuokunai.html
- 文化遺産オンライン https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/551965