オフィスビル

ザ・プリンス パークタワー東京

2005年開業、地上33階・高さ約104mのプリンスホテル。芝公園に隣接し、東京タワーと増上寺を望むロケーションに丹下憲孝が設計した端正なガラスタワー。

ザ・プリンス パークタワー東京
写真: 江戸村のとくぞう / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)
用途
オフィスビル
エリア
港区
竣工
2005年
階数
地上33階/地下3階
高さ
104m
開発
西武・プリンスホテルズワールドワイド
設計
丹下都市建築設計

芝公園の緑の中に立つガラスタワー

東京タワーに向かって歩いていると、増上寺の境内をすぎた先に、すっきりとしたガラスタワーが公園の木立の合間から姿を現す。ザ・プリンス パークタワー東京だ。2005年4月に開業した地上33階・高さ104.40メートルのホテルは、港区芝公園4丁目に建つ。都立芝公園の緑地に直接接するため、東京の中心部でこれほど自然と隣り合うホテルはほかに多くない。客室の窓から東京タワーの全景や増上寺の甍を眺められるロケーションは、この建物が持つ最大の魅力のひとつだ。

外観はガラスカーテンウォールで覆われた柱状体で、高層部へ向かうにつれてわずかに輪郭が絞り込まれている。公園の樹木と対話するように抑えたボリュームは、周囲の景観への配慮を反映している。夜になると客室の明かりがガラス面に浮かび上がり、東京タワーの明かりと重なる夜景は独特の奥行きをもたらす。

丹下憲孝が選んだ「控えめな存在感」

設計を手がけたのは丹下都市建築設計の丹下憲孝だ。父・丹下健三が東京都庁第一本庁舎や国立代々木競技場など彫刻的な形態で知られるのに対し、憲孝の仕事は素材と環境との対話を重んじ、造形の主張より周囲との調和を優先する傾向がある。芝公園という江戸以来の歴史的な緑の中に、新たな高層棟をどのように挿入するか。そのアプローチとして選ばれたのが、ガラスによる透明感と直線的なラインの組み合わせだった。

施工は鹿島建設が担い、内装設計は村野・森建築事務所が手がけている。客室数は603室。地下1階から地上32階まで続く吹き抜けの空間構成により、ホテル内部では外観からは想像しにくい豊かな立体感が生まれている。増上寺の黒門に視線が向く車寄せの配置も、歴史的文脈への意識が読み取れる。

開業当時のプリンスホテル(現・西武・プリンスホテルズワールドワイド)が手がけたこの施設は、2000年代初頭に品川・汐留・六本木で相次いだ大規模再開発のどれとも異なる、静かな文脈の中に立っている。都市の記念碑を目指すのではなく、公園と共存する場所として作られた姿勢が、何十年たっても古びない佇まいを保っている理由だろう。

まとめ

ザ・プリンス パークタワー東京は、2005年開業・地上33階・高さ約104メートルのホテル棟として、東京タワーと芝公園という二つの都市装置の間に静かに立っている。丹下憲孝が設計した端正なガラスの塔は、歴史的な景観の中で主張を抑え、公園の緑と対話し続けている。近くの東京タワーや東京ポートシティ竹芝とあわせて歩けば、港区の近代建築が積み重ねてきた時間の層を感じることができるだろう。

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参考・出典

  • 日本語Wikipedia「ザ・プリンス パークタワー東京」
  • 丹下都市建築設計 公式情報(要最終確認)

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